凍結保存に役立つ液体状態の窒素
液体窒素といっても多くの人にとっては馴染みのないものかもしれません。しかし私たちの暮らしのなかで幅広い用途に使用されているのです。
そもそも液体窒素とはどのようなものでしょうか。液体窒素とは、液体状態にある窒素のことで、液化窒素とも呼ばれます(英語ではliquid nitrogen)。沸点が-196℃という超低温の液体で、気体が液体に変わる温度差を利用して、空気中から他の成分を取り除くことで製造されます。液体窒素を入手するには、高圧ガスを製造・販売するガス業者や専門商社から購入します。
液体窒素は何に使われるのか?
一般の人が液体窒素を使用することはまずありませんが、科学の実験、各種工業、医療用等の冷却剤などさまざまな用途に使用されています。
- <液体窒素の用途>
- ・血液や生殖細胞、生物学的サンプルの保存
- ・低温物理学の実験
- ・食品製造における瞬間冷凍や輸送
- ・いぼや光線性角化症などの皮膚医療
- ・コンピュータや各種電子機器の冷却剤
- ・建設工事における漏水防止
- ・爆発物処理 etc.
最近は液体窒素で作るアイスクリームショップや、分子ガストロノミーと呼ばれる科学を用いた調理法の中で、液体窒素を使った料理も登場しています。